その見たこともないエラーメッセージは、突然私のスマホの画面に表示された。
OpenClaw: access not configured.
Your WhatsApp phone number: 080-XXXX-XXXX
Pairing code: XXXXXXXX
Ask the bot owner to approve with:
openclaw pairing approve whatsapp XXXXXXXXOpenClaw? Pairing code? Ask the bot owner? なんのことだ。私はただ、いつも通り彼にWhatsAppでメッセージを送っただけなのだ。それなのにこの無機質なエラーメッセージは一体なんだろう。
彼とは、私が仕事で主催したイベントで出会った。私は都内のDeep Tech特化型のVC(ベンチャーキャピタル)のコミュニティ運営をしている。彼はシリコンバレーのBig Tech本社に勤務したのち、日本支社に移った、アメリカ人のAIリサーチャーだ。1年ほど前、AI 系のイベントを開催した際に、彼をゲストとして招待したのが、最初の出会いだった。
一方、私は、カナダと日本のハーフで、小学校までカナダで過ごし、中学から父親の母国である日本に帰国した。言語を習得する幼少期をカナダで過ごし、多感なティーン時代に日本のサブカルチャーにどっぷり浸かっていたため、日英どちらの言語で話すかにより、キャラクターが変わるタイプだ。
彼がアメリカ人ということもあり、初めは、快活でフレンドリーな雰囲気で英語で話しかけたが、徐々に彼が日本的な含みを持たせた繊細なキャラクターであることに気づいた。現在、最も勢いのあるAI新興企業・米A社のCEOのダ◯オ・ア◯◯イ氏を少し若くしたような、金茶色のカーリーヘアに黒縁の眼鏡の彼は、日本のアニメやゲーム好きが高じて日本に来たという経緯通り、シリコンバレーのBig Tech出身のアメリカ人の割には、控えめで押しの強くない穏やかな人だった。初対面で握手をした際、名前を名乗ると、彼は目をキラキラと輝かせ、 「素敵な名前ですね。……本当に、素晴らしい名前だ」と褒めてくれて、嬉しく感じた。
また、初対面時に何気なく目をやった彼のズボンのチャックは驚くほど全開で、中のパンツが見えるほどだった。一緒にエレベーターで会場に向かう際に、彼は私の顔を見ていたが、私は彼の股間から目が離せなかった。それでも彼は気づかないので、会場に着く前にそっと耳元で、「あの……チャック開いてますよ」と告げた。すると彼は顔を真っ赤にして、慌ててジッパーを上げていた。「こういう人は、考えることがたくさんあって、細かいことに気づかないのかな」私は、彼の意外と抜けている所にも、好感を抱いた。
それからは、漫画やアニメの趣味が似ているということもあり、たまにプライベートで会って、カフェでお茶をするという穏やかな関係が1年ほど続いた。趣味や仕事の話、子供の頃の話、日本の文化の特異性など、とりとめのない話をしているだけで楽しかったし、何より、彼から聞くシリコンバレーの最前線のテクノロジーの話は刺激的だった。今回のエラーメッセージも、次に会う日の日程確認について、WhatsAppでメッセージを送信しようとした際に出たのだ。
この無機質なメッセージは何だろう。OpenClawって最近出てきたパーソナルAIエージェント?とりあえず彼に確認しない事にはどうしようもないので、私は彼の仕事用のメールアドレスに「これ何?」とメッセージを送信してみた。

